<aside> 📕 本記事はi Magazine 2019 Summer に掲載されたものです。 (c)i Magazine
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<お話を伺った人>
横田 昌宏氏 総務部 IT企画課長
ローラアシュレイ、JUNKO KOSHINO、アシックス。前の2つは人気のファッション・ブランドであり、アシックスは言わずと知れたスポーツ用品のブランドだ。そしてこの3者に共通するのは、住商モンブランが製造・販売するメディカル・ユニフォームのブランドということである。
住商モンブランは1950年の創業以来、白衣を中心とするユニフォーム分野において商品開発力と品質の高さで独自の地歩を築いてきた衣料品メーカーである。業績も好調で、今年5月期の決算では「過去最高業績になりそうだ」と、同社社長の長尾孝彦氏は繊維業界紙のインタビューに答えている。
同社の特徴は、商品開発力と品質の高さに加えて「即納」である。同社では、注文を受けた当日に商品を発送するというビジネスを、過去30年以上にわたって続けている。2018年度の即納率は「98%」(長尾社長)というきわめて高い数字だ。
そして、これら3つの特徴を可能にしているのは「当社のデータ活用に理由があります」と、総務部IT企画の横田昌宏課長は話す。
「ユニフォームは、お客様のビジネスにとって不可欠なものなので、注文があったら即座にお届けできるよう適正な在庫と物流の仕組みが必要です。また注文が集中する3?5月はとくに、需要予測や動向分析に基づく品揃えや新しい企画の商品が欠かせません。これらは過去の実績の分析から得られるもので、当社では26年前にIBM iを導入してから社員に対して積極的なデータ活用を奨励し、その基盤作りも継続して行ってきました」(横田氏)
同社が最初に取り組んだのはQuery/400の利用である。社内に着実に広がり、ユーザーからコンスタントに開発依頼が寄せられたが、「システム担当者が定義したクエリを使ってユーザーがワークファイルを吐き出しても、ヘッダ部分の修正などをシステム担当者が行わざるを得ず、利用が進めば進むほど負荷が大きくなっていく」(横田氏)ことを懸念し、別のツール探しを開始。2013年に「CQEC(シークイック)」を導入した。
「CQECはExcelやCSVへのダウンロードが可能で、かつCL連携も行え、Query/400の定義もそのまま取り込めるというよくできたツールで、当社のユーザーの間で急速に利用が進みました」と、横田氏。現在、約600本のCQECベースのクエリプログラムが利用されている。
しかし開発元がその後会社を解散し、機能拡張やIBM i(OS)の新バージョンへの対応が行えなくなったことから、再度、ツール探しが必要になった。
「CQECはWindows上で稼働する製品でしたが、運用工数を下げるために、次はIBM i上で稼働する製品を探しました」と、横田氏は説明する。
白羽の矢が当たったのは、オムニサイエンスのPHPQUERYである。IBM i上で稼働すること、CQECとよく似たインターフェースと操作感をもつこと、年額のサービス契約であること、が採用の理由だった。2017年12月に導入し、すぐに利用を開始した。
同社では現在、CQECベース、Query/400ベース(一部)、PHPQUERYベースの3種類のクエリプログラムを併用している。