<aside> 📕 本記事はi Magazine 2020 Summer(2020年7月)に掲載されたものです。(c)i Magazine
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<お話を伺った人>
三好 誠氏 システム部 マネージャー
鑓水 淳一氏 システム部
1950年にユーエス・エシアティック・カンパニーとして設立されたユサコは、日本の戦後の復興から現在までの発展を科学技術情報の流通をとおして支えてきた会社である。
設立当初は、海外の出版社との取引を中心に優れた書籍・論文を日本へ紹介。1968年に世界的な情報サービス企業の米トムソン・ロイター社(当時ISI)の総代理店となってからは扱う情報の幅を大きく拡大し、さらに近年は研究支援の分野にも進出し、幅広い業種の企業を対象にビジネスを展開中である(図表1)。
販売中のツール/ソフトウェアには、多くの研究者に利用されている文献管理ツール「EndNote」や各種統計解析ソフト、AI文献検索サービスなどがある
システム部マネージャーの三好誠氏は、「当社は、研究を支援することで社会への貢献を目指しています」と、同社の理念を説明する。
一方、それらの事業を支える基幹システムは、1972年のSystem/3導入以降、一貫して自社開発を基本としてきた。
「海外との取引では、小切手の発行や外貨管理など出版流通特有の処理が発生するためにパッケージに合うものがなく、システムの導入時に当社独自の販売管理システムを自社開発しています。その後、2012~2013年に5250画面をGUI化する大きなプロジェクトをDelphi/400を使って実施しましたが、それも自社開発です。現在は全社員がGUI画面を利用中です」(三好氏)
基幹サーバーは代々IBMミッドレンジ機を使用してきた。現在は2016年導入のPower 814(IBM i 7.2)を利用中である。
科学・技術情報の提供や研究支援事業では、顧客である大学や企業、医療・研究機関がそれぞれどのような情報ニーズをもち、何を求めているかを具体的に把握することが重要である。そしてそれを知る1つの手がかりは、顧客がどの商品を購入し、どのような販売傾向が見られるか、である。
そのために同社では、IBM i上の販売管理システムのデータを、PC上のExcelやACCESSに取り込む仕組みをエンドユーザーに提供し、基幹データの活用を促進してきた。IBM i上のデータベース(Db2 for i)とExcel・ACCESSをODBCで連携し、データの絞り込み条件などをExcelやACCESSで設定しておくことによって、ユーザーはクリック1つで基幹データを取り込める仕組みである。
ユーザーは、約100名いる従業員の半数以上。ユーザーへは販売計画の達成率や個々の商品の売上実績などを見るためのプログラムをExcel上で設定し、20本ほど提供していた。