<aside> 📕 本記事は i Magazine 2018 Summer(2018年5月)に掲載されたものです。 (c)i Magazine
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<お話を伺った人>
山口昌一氏 管理部システム課 課長
基幹データ活用の「革命」が進行中
松沢書店では、IBM i上でRPGにより開発した販売管理・在庫管理の各システムを長年にわたり利用している。現在その運用を担うのは、管理部システム課の山口昌一課長である。
山口氏はネット販売の業務を担当したのち、4年前に前任者から仕事を引き継いだ。RPGを含めて、それまでに開発・運用の経験はなく、簡単なWebアプリケーションは自らの手で作成できるようにと、異動後にスクールへ通ってJavaやPHPの基本スキルを身に付けたという。
2016年に、同社では基幹システムの保守・運用を任せていたITベンダーを変更している。その際、山口氏は以前から抱えていたデータ活用の課題を解決する手段はないかと情報を収集した。
「当時は基幹データを活用するために、Query/400を使っていました。しかし5250画面ではエンドユーザーの活用がなかなか進まず、私自身もQuery/400でどこまで対応できるのかよくわかりませんでした。基幹システムには豊富なデータが蓄積されているのに、十分に活用されておらず、誰に聞けばその問題を解決できるのかもわからない状況でした」と、山口氏は当時を振り返る。
検討を続けていた2016年12月、Query/400に代わる次世代型BIツール「PHPQUERY」を開発・販売するオムニサイエンスと出会う。山口氏は無償トライアル期間に「PHPQUERY」を試用して、画面のわかりやすさ、データ抽出の容易さを実感した。同じように試用したエンドユーザーからも、「これであれば使える」との意見が多く寄せられ、採用を決めた。
すぐに「PHPQUERY」の操作を学び、オムニサイエンスの手厚いサポートを受けながら、山口氏は1人で次々とクエリーを作成していった。現在では営業部門をはじめ商品担当や発注、仕入、顧客問い合わせの担当などあらゆる部門で、「PHPQUERY」で定義した126個のクエリーが利用されている。
「PHPQUERYの導入により、基幹データの活用は『革命』と呼んでいいほど、劇的に進みました。今では在庫管理から発注管理、売上実績、アルバイトの実績管理までさまざまな場面で使用しています。実績の見える化に基づく計画立案が可能になり、導入前とは業務のやり方が大きく変わりました。『これがほしい』と思い付くアイデアのほぼすべてが、PHPQUERYで実現できます」(山口氏)
たとえば同社の商品マスターには約16万点という膨大なアイテムが登録されているが、「PHPQUERY」の導入により、長年の懸案であった単品管理が実現した。
アイテム数が多いのに加え、楽譜などの商品では入庫や移動時の人的ミスによりマイナス在庫が表示されるなど、在庫の不整合が頻繁に生じていた。そこで「PHPQUERY」により、マイナス在庫を示すエラーをチェックして抽出・表示。商品担当者はこれらを参照しながら在庫状態を確認し、エラー確認後は在庫管理プロセスのどこで不整合が発生しているかを把握することで、在庫の精度を高めることに成功した(現在はハンディターミナルの徹底活用により、さらに在庫精度が向上している)。